後白河法皇
後白河法皇(1127-1192年)後白河法皇は、1155年に天皇に即位して以来その死に至るまで、彼の生涯は戦いの連続だったように思える。その最大の敵は急激に勃興してきた武家階級であった。武家の棟梁、平清盛と20年、源頼朝とは12年の間、共存しながらも敵対した。清盛はともかく頼朝の目指すものは明快で、「武家による日本統治」である。法皇が戦い取ろうとしたものはなんであったのか。それでも前半生は、武士たちを手玉に取り全盛の清盛を打倒しようと企んだこともあったが、後半生は頼朝の力の前に右往左往するだけであった。頼朝がその権力を磐石なものにした1192年、春、65年の一生を閉じている。