豊臣秀吉(とよとみひでよし:1537年-1598年) 豊臣秀吉には成り上り者の哀しさが存分にあり、後世の人は「面白い奴!」と彼を大目にみる。失うもののない秀吉は、自分の命と引き換えにするような”虚”を作り、人をたらし込んだ。一方で、女好き。それも若い頃、手が届きそうもなかったセレブを好んだ。 もうひとつ成り上がり者の哀しさがある。彼は、信長の独裁制や社会作りのテーマはよく解っていただろう。検地をしたり刀狩をやったことをみるとそのことは察せられる。しかし、彼はその目標に反し、「大商人」にしかなれなかったのではないか。つまり、本能寺で信長がこの世から消えた時、秀吉はその程度の器でしかなく、以後、彷徨っていた感じがしないでもない。 |