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東京 浅草

 
 
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雷門

老舗の町・江戸浅草

浅草。8回目だとしたら・・
写真浅草は元々「初めて来た」という人が多い町ではない。同じ店に何回も行くといういわばお馴染みさんの多い、地元の人を相手にする町だった。逆にいうと初めての人が行きにくい町でもあった。職人気質の濃い店が多く初めての人は入り難くかった。
だがこの20年くらいの間で浅草は優しくなった。店主の代がかわった。外国からお客さんのニーズに合せて来た。行きにくいとか入りにくいとかいう以前の人たちが大勢で押し掛けたなどによるのだろう。
この項では「浅草は10回目」だという浅草に馴染んだ人たち向けに「浅草の老舗」データを中心に紹介したい。初めだという人も江戸時代(1603年~1867年)からのよき「流れ」を伝えている浅草データに満足いただけると思う。


江戸・職人の技を継ぐ
浅草は江戸下町の風習、風俗と職人の「技」を受け継ぎ、その技が作り出した商品や芸を売っている町だ。
そう思って調べてみると、江戸時代・家康の代から400年以上前、浅草大工の名は既に天下に高かったらしい。
鎌倉幕府を開いた頼朝が鶴岡八幡宮を創る時、なんといっても浅草の大工だと御家人に奨められ、郷司(ごうじ)という名の大工を召し出したという。鎌倉幕府の正史「吾妻鏡」の1181年7月の項にそうある。
浅草の技にはいろいろある。あわぜんざい(梅園=店の名前以下同)、芋羊羹(舟和)、どぜう鍋(飯田屋)、浅草海苔(多数)、扇子(文扇堂)、てぬぐい(染の安坊、くるり)などを手づくりする技。落語家、漫才師、浪曲師などが語る芸。それに大工職人や刃物職人など技を継ぐのに時間が長くかかる技。
写真 技を蓄える店は老舗と呼ばれて尊敬を集めている。修業が厳しく職人が育たないからだ。
ズカズカっと店に入り、触ったり使ったり味わったりして職人技を楽しめる浅草。
浅草は職人たちが肩で風を切って歩く町である。


美味しい老舗/どぜう飯田屋
場所:かっぱ橋本通り
安くてうまいどぜうを食わせる店。まるまるのどぜうは苦手という人に骨を抜いたどぜう鍋や蒲焼もある。
幕末に創業したというから150年を超えて暖簾を守っていることになる。





どぜう飯田屋

お土産の老舗/芋羊羹舟和
場所:本店/オレンジ通り・仲見世店/仲見世通り
小豆を使いちょっと高い煉羊羹に代る芋ようかんを考え出し創業した「舟和」。匠職人を起用し年月をかけて仕上げたという(舟和webページ参照)。売り出したのは日露戦争(1904年2月~)が勃発するころだったという。




芋羊羹舟和
仲見世店

職人技が支える老舗/文扇堂
場所:仲見世通り西へ入る
職人が支える老舗文扇堂。扇子そのものが存在を主張することはあまりない。しかし扇子が小道具として印象に残る場面はある。
今川義元の大軍に攻められ、桶狭間で決戦を挑む時、信長は清州で「人間五十年 下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」と敦盛を舞う。その時の扇子は生きていた。
落語家が蕎麦を手繰る動作をするときの扇子も印象的。

文扇堂

美味しい老舗/すき焼きの今半本店
場所:新仲見世通り
浅草今半本店は1895年(明治28年)に牛鍋屋として創業したという店。一貫して牛肉の美味しさ伝えている。この店は人形町今半など多くの今半を暖簾分けした根っこともいえる店である。


すき焼きの今半本店

お土産の老舗/人形焼 木村屋 
場所:仲見世通り
浅草のお土産の定番。カステラの地に餡が入っている和菓子。あっさりとした味が評判で、七福神の顔を形にしたものが多いという。



人形焼

職人が伝えるてぬぐい/染の安坊浅草本店・浅草くるり
場所:染の安坊浅草本店/新仲見世通り南に入る
   浅草くるり/伝法院通り
手ぬぐいなど染物の老舗・染の安坊の創業は1907年だという(web参照)。
手ぬぐいと言えば落語家の必須の小道具でいつも懐に入っている。

文扇堂
くるり

美味しい老舗/ホッピー通りのつくし・たぬき
場所:煮込み通り
最近人気のホッピー通り。牛の煮込みが人気の「たぬき」ともんじゃが売りの「つくし」は創業40年は経っているという老舗。馴染の客が多い。「つくし」はたけしさん御用達といわれる。
最近は豚モツの煮込みを売る店が多い。客をひく店があったりしてやや落ち着かないかも。


つくし
たぬき

お土産の老舗/梅園浅草本店
場所:仲見世通り西へ入る
「あわぜんざい」という独特で贅沢な味を売る梅園は創業が1854年という老舗。1854年というと、黒船4隻が来て江戸の町を騒然とさせた次の年である。
「あわぜんざい」はもちキビを使ってつくるという和菓子で、もちキビはアワやヒエより少し大きめの粒をもつ雑穀だという。食感がよく江戸名物になったという(梅園浅草本店のwebを参照)。

梅園浅草本店

料理人が使う/かね惣
場所:仲見世通り西へ入る
かね惣は明治6年創業の刃物専門店。150年ほど前のことで、西郷さんの銅像はまだない。世の中はまだ落ち着いておらずざわついていた。
明治時代になって地方から出てきた人を相手にしだしたのか、包丁、鋏を売ったという。
刃物屋さんには菊季刃物(きくすいはもの)店もあった。やはり創業90年余の老舗である。

かね惣

美味しい老舗/もんじゃ弁天・つくし
場所:「弁天」は浅草寺二天門の近く
   「つくし」は煮込み通り中ほど
もんじゃは子供が好んだ東京独特の食べ物。1980年代に人気が出て大人向けにチーズ・明太子などをトッピングするようなった。
「弁天」は浅草寺二天門の近くにある。「つくし」はホッピー通り中ほどにある。


もんじゃ弁天・つくし

お土産の老舗/ジャンボめろんぱん花月堂
場所:本店/西参道
   雷門店/仲見世通り西へ入る
浅草で5つの店を展開する花月堂。独自の製法でふわふわのメロンパンを作ったという(花月堂のweb参照)。近頃、町を行く若い人のほとんどがメロンパンをぱくぱく食べている。



ジャンボめろんぱん花月堂
雷門店

美しい日本を着てあるく
粋な職人さんや女将さんが歩いている江戸下町・浅草の風情。和服を着て歩いてみたい町なのかもしれない。
2020年が明けたある日、多くの人が着物姿で歩いていた。二天門をくぐっていくカップル、仲見世を歩く女の子とお相撲さん。落ち着いた雰囲気の二人連れが香をたく浅草寺前。ごく自然な着物姿だった。さらに、30代中頃だろうか、カメラを向けたらふくよかな笑顔が返ってきたご婦人。

仲見世
二天門
二天門
浅草の町に来て「ああ!着物を着てみたい!」と思う人たちがたくさんいるのだろう。
OK!用意できてます。という店がある。それは外国から来た方や日本人がその受け継がれてきた「和服の美しさを提供したい」ということだ。浅草の町に溶け込むようにして歩くと楽しいに違いない。
着物を手軽にレンタルする時は、レンタル着物ショップ「スタジオ七色」へ。予約TEL:03-3843-7716
http://nana-iro.tokyo/contact-jp
画像提供:スタジオ七色
スタジオ七色

美味しい老舗/釜飯の麻鳥
場所:仲見世通り西へ入る
創業から50年ほど経つ釜飯と串焼きの店。雷門から近くランチをしに来る人が多い。









釜飯の麻鳥

お土産の老舗/芭蕉もほめた浅草海苔

1684年(貞享元年)春、芭蕉は浅草に遊ぶ。門人千里(ちり)を訪ね浅草海苔の入った味噌汁を飲んだという。潮の香がして美味しかったのか、そのドロッとした食感を珍重したのか。「海苔汁の手際見せけり浅黄椀」と詠みその味をほめている。
芭蕉が「奥の旅」に出かける5年前。「野ざらし紀行」に千里を連れて出る年の春である。芭蕉41歳。