「うまいものを一心に作っている町」 | |
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おいしい料理を食べてもらう。おいしい酒を飲んでいただく。 わくわくする料理をいつも一所懸命につくる料理人の町。人形町。町の直径はabout 1km。 Little Area Series 002 |
町に江戸情緒があるわけじゃない
町に江戸情緒があるわけじゃない。
京風でもない、日本橋・人形町風の町である。
店がそれぞれ独自の流儀を持っている。
①うまい味を作り出すレシピを開発
②いい素材を仕入れる
③情熱を注いで料理する
まねをして稼ごうという店もないようである。
春宵一刻値千金!
家に待つ人のいる女性がお惣菜を買いにくる。よくよく選んで、重くなった包みをさげて帰っていく。
居酒屋に五十がらみの男性が用心深くガラガラと戸をあけて入っていく。お年をめした二人連れが居酒屋にはいっていく。若い二人連れがつづく。馴染みの店。日本橋・人形町。
人形町のなにがお客さんを満足させるのか
人形町で商いをしている店のなにがお客さんを満足させるのか。誰を満足させているのか?
いいものを見つけた馴染みの人。いいものを見つけたい人。「自分の味」に合うものを納得して食べたいと思う人。安くておいしいものを探す人。ここにある店たちはそういう人を呼ぼうと頑張っている。だましは効かない。
客筋。概して言えば、年齢で縛っていない。年齢に関係なく味の基準を持っている人がお客様。だからお惣菜の店にくるひとは20代も50代もない。居酒屋もそうだ。
近くに住んでいる人だけでなく遠くから馴染んだ味を求めて魚久の銀鱈、日山の肉、鳥忠の玉子焼を買いにくる人がいる。今半のすき焼き、芳味亭の洋食、玉ひでの親子丼を食べにくる。
その人たちに向って「競い合い多くの選択肢を出し満足を実感させたいとする店が商いをしている町」であることがお客さんを引き付けている。
人形浄瑠璃で使う人形を作っていたことから人形町と呼ばれた町。人形を動かすバネは鯨のひげだったらしく、それを記憶しておくため鯨のオブジェを作ったという。
若夫婦と若い爺・婆とがお礼参りに来る水天宮
水天宮はその名が表すように水の神様を祀っている。筑後川河口の久留米に総本社がある。有馬のお殿様で知られる久留米藩。県境は筑後川で仕切られているが、度重なる大洪水で川筋が曲り県境が動く。三日月湖が多くマップ好きの秘かな楽しみになっている。
水天宮はいま、安産の神様でもある。お産前にお札をもらい無事にお産をすませた後にお礼参りをする。若夫婦とじいちゃんばあちゃん連れの一家が多い。