東京都心
「東京」を揺さぶりたい。
東京、江戸は徳川家康が造ったと言っていい。
小田原城を見下す崖から連れションをしながら、「おことは、関東に移れ!」と秀吉に命じられた家康。さらに主邑は「江戸がよかろう」とも言われたらしい。
品川から王子まで、いまの京浜東北線に沿って海岸線があった。家康は遠浅の海を急ピッチで埋めただろう。奥羽で蒲生氏郷、伊達正宗が活発に動いており時間はなかった。関ヶ原の戦いで浪人になった大量の武士を人夫として使ったという。あの武蔵も江戸に流れ込みもっこを担いだとある。(吉川栄治著:宮本武蔵/講談社文庫)
埋めてできた島に全国から町人、職人を呼び集め住まわせた。大坂佃の漁民や三河の商人が江戸に来て、佃煮を作る職人になり三河屋という屋号で商った。
1603年江戸開府から400年、江戸・東京の中心は日本橋、大手町、銀座だった。政治と商業・経済を担う人々が集り江戸・東京を背負った。経済の真ん中に位置づけられた消費者もまた日本橋、大手町、銀座で買い物をした。
それがずっと続いたが、1991年、東京都庁が有楽町から新宿西口に移り新宿副都心と囃され始めてから重心が動き始めた。2020年になろうとする現在、新宿と池袋、それに原宿表参道、渋谷に消費の中心ができている。東京の都心は新宿の南北に伸びるメガシティ群に移ったようだ。
「都心新宿・明治神宮・原宿・表参道・神宮外苑」にスポットを当てたMAPを独立させ「東京」を揺さぶりたい。
SEXと際どい接点をもつ新宿2丁目、3丁目の飲み屋街とゴールデン街。そして歌舞伎町。1年くらい前からInboundの人たちに人気がある。
寄り添うように走る新宿通りと通りに面した伊勢丹周辺は高級な雰囲気を醸し出す。およそ1km四方の中にある都市型テーマパーク。
新宿は御苑と神宮外苑、明治神宮に接しているがそのことで都心としての風貌ができてきたようだ。MAPをみると「新宿」を持ち上げるように3つのグリーンエリアが存在する。
明治神宮は言うまでもなく明治維新が成された時の天皇・明治天皇を祀る神宮である。小高い丘の上にある。表参道から神宮に向って欅坂になっており、その坂道にそって著名な世界ブランドと日本ブランドが軒を連ねている。時々カフェもあり歩いていて楽しい。
神宮外苑は文字通り明治神宮の外苑で、ここに今、2代目の新国立競技場が建設されている。1964年の東京オリンピックは初代の国立競技場で開会した。
競技場に接するようにトラック状の道がある。かつて世界のマラソン界で無敵といわれた瀬古利彦(現在日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダー)を思い出す人も多いのではないか。彼の練習場の1つだったところである。2020年のマラソンで誰が1番で新国立競技場に帰ってくるか、わくわくと楽しみである。外苑は都民のお出かけ散歩&スポーツフィールドになっている。