岐阜 飛騨高山
江戸時代を伝える
一之町・二之町・三之町界隈の風情が好もしい。
金・銀・銅それに木材の豊富な飛騨国にあって高山はそれらの物資が集散する城下町として発展した町である。城下町になったのは秀吉の時代、戦国大名金森長近が姉小路氏を倒した時からで、1585年のことだった。関ヶ原の戦いで、東軍・徳川家康に組みした長近は、3万8千石余を得る飛騨高山藩の初代となった。金森氏は以後、6代107年つづいている。
飛騨高山
しかし、6代藩主金森頼時の時、徳川幕府はその豊かな資源に目をつけ、強奪するように天領にしたという。突然のことだったというが、高山はそのことでかえって豊かさを増したようで、その後の200年、売りと買いの商人で殷賑(いんしん)を極めたという。名残りは宮川沿いに広けた上下(かみしも)の一之町・二之町・三之町界隈にある。出格子のある商家、杉玉を吊るした造り酒屋それに古格な旅籠などに京風の情緒が感じられ好もしい。
高山の祭は春と秋に催される。秋の祭は櫻山八幡宮の例祭として、10月9日・10日に行われる。秋のやさしい日差しをうけて、からくり人形が芸をみせる。飛騨高山藩の藩主金森氏のころに始まったと言われる祭りで、月の光る夜の巡行が見ものだという。
飛騨の山々から切り出される木材やその加工品、そして金銀や銅などを求めてやってくる商人たちに愛されたのであろう、飛騨高山は酒のうまい土地柄である。酒蔵も多い。
肴は鮎、山菜、飛騨牛だ。飛びっきりの一級品で誠にうまい。酒と肴を求めて「酒蔵めぐり」ができるのもいい。
高山の祭は春と秋に催される。春の祭は日枝神社の例祭として、4月14日・15日に行われ、桜吹雪の中を屋台が渡っていく。その起源は飛騨高山が城下町だった頃だという。