栃木県 那須





「Green Paradise・緑の王国 那須」
散歩の途中、なじみの田んぼに淡く虹が架かっていた。植えられて2週間ほどの苗がまっすぐ伸びていた。
撮影位置緯度経度:37.018051,140.084862 標高:346.9m
田んぼに稲苗を植える
毎年、早いところでは4月の中頃から田んぼに水が入り始める。
それまでに荒起しを2~3回、荒起しした土を細かくする作業を1回。
水は中指が隠れるくらいの深さ。水深9cmくらい?まで水を張る。
GWが明ける頃から田植えがはじまる。面積が30m×50mの田んぼで半日ほど、耕運機が動く。
5月から9月まで、緑の王国の主役は水稲だ。
特に6月・7月・8月の間は那須を緑に染め上げる田んぼにはわくわくするしちょっと興奮する。
風にゆれる緑の懐かしい風景といつか嗅いだことのある匂いを楽しんでみてください。
初夏 輝く新緑の中で戦う花たち


花の戦い
例えば、去年は花の咲き方が低調だった石楠花が今年はたくさんの花をつけたとか。
確かこのあたりにチュウリップが咲いていたが今年はオダマキが花を咲かせている。
5・6株でひっそり咲いていたカタクリが今年は随分とたくさん咲いている、といった花の戦い。
隣に植わっている椿が覆いかぶさるよう圧倒してくると石楠花は樹勢を失うし、また椿が太陽を遮っていると石楠花は花を咲かせない。
よーく見ていると木々あるいは花たちは肩を張って押し合いながら隣の木や花と争っていることに気が付く。那須のように木々や花たちの生き様をほとんど管理しない場合、5年くらいで二者(石楠花と椿)あるいはそのエリアの勝負がついていることが多い。
もともと木々や野の花たちが持っているエネルギーの量がそれぞれの「戦い」に大きく影響するのはいうまでもない。が、それでもじっと見ているとこれら二者の戦いは面白い。
3年くらい椿と沈丁花の戦いを見てきた。樹勢の強い椿に圧倒されて花芽を付けなくなった沈丁花。助けるつもりもあり沈丁花の上に伸びていた椿の余計な枝を一昨年の夏、切り落とした。切ってみるとかなりの量があった。
沈丁花は昨年の夏から幹と葉の顔色?がよくなりムクムクと枝葉を伸ばしこんもりとし、今年の春先には花粒をたくさんつけ独特の香りを放ち早春の候!を大いに盛り上げるようになった。木や花たちもそれぞれのポジションで戦っている。














「茶臼岳の2022年」
富士山を多くの日本人が「きれいダナ」と思っているように「那須・茶臼岳」を見る人も「きれいダナ」と思っている。TV番組に富士山が映し出されれると「ふじさん!」と口に出すように、「那須・茶臼岳」がTVに映ると「あっあっ」と声に出る。
ただ富士山はall japan、那須・茶臼岳はlocal。見た人のうちの20%くらいはあっあっではなく「茶臼岳だ」っと言わせたい。
那須連山の主峰・茶臼岳は煙を吹いている活火山で人によって那須岳とも呼ぶ。標高は1915m。見上げると右手前に小さな火口がありアクセントになっている。北側の尖った山容を見せるのは朝日岳。標高1896m。
2021年の秋から撮ってきた茶臼岳の画像が3000枚をはるかに超えた。これから腰をいれて那須野を紹介しようといういま茶臼岳の1年をまとめた。
川の流れる野面をあるく芭蕉と曽良(2)
茶臼岳など5つの峰が立つ那須連山を流れ落ちてくる大量の水を受けるのは黒川、余笹川、那珂川などだった。が、積もった火山灰を深く削って流れる幅1~3mほどの小川が相当な数あり落ちてくる大量の水の一部を引き受けていたようだ。これらの小川は田んぼの水源として使われた。いまも使っている。桜が散るころ荒起こしされさらに細かく耕された田にその水は入る。水が池に見えるほど溜まるとしばらく土になじませその後田植えになる。
元禄2年4月2日に日光を立ち、3日から芭蕉は門下の翠桃方に泊った。翠桃亭では七吟歌仙興行を度々開き、黒羽城下や雲厳寺などを見物している。
五日 「木啄も庵は破らず夏木立」
七日 「田や麦や中にも夏はほととぎす」
九日 「夏山に足駄を拝む首途哉」※1
翠桃亭で長く過ごした芭蕉は曽良とともに4月16日昼、翠桃と黒羽藩家老淨法寺図書らにみ送られ那須高久に向ってあるき始めた。小川に架けられた細い丸太や板橋を渡り雨でぬかるんだ道を二人はあるいた。田植えの終った田んぼが左右に広がっていた。二人はほくほくした気持であるいていたのかもしれない。
※1足駄:あしだ。道の悪い時にはく高下駄のこと