静岡 伊豆下田
江戸に向って荷を満載した東回り北前船の、そして、酒や醤油など主に食品を上方から運んだ菱垣廻船、樽廻船の最終中継地、風待ち湊として栄えた港町・下田。
幕末、日米和親条約が結ばれたところとして知られ、米国領事タウンゼント・ハリスと地元の女・吉との交情話が残っている。また、川端康成の「伊豆の踊子」に登場する主人公・学生さんが踊り子と別れる港(その伊豆大島航路はいまはない)だが、港町・下田にはことほど左様に多くの「時間」が経過した物語と海と港がある。
脂がのった金目鯛を甘辛く煮付けた料理で、シンプルながら味わい深い一品。身と皮の間に詰まった旨味から、口の中でほろりとくずれるふっくらとした白身まで、存分に金目鯛の味を堪能できる。