鹿児島
時代を回転させ「明治」をつくった西郷と大久保。
『薩摩の栄光』長州とともに薩摩は栄光の旗を担ってきたように思われる。倒幕、明治新政府の樹立、勝利した日清・日露戦争での両藩の活躍がイメージとして残っているからかもしれない。あるいは、長と薩がテレビドラマなどで取り上げられることが多いからかも知れない。西郷隆盛や大久保利道それに高杉晋作、児玉源太郎のことなどを我々は知っている。
1185年、島津忠久が源頼朝から薩摩の地頭に任じられて以来およそ700年、島津氏は薩摩・大隅国の地頭であり守護であった。日本の名族の1つである。
自領をかたく守り、戦いの時にみせる勇侠さと懐の深さは島津氏を語る上で欠かせない。明治政府をつくる時、その「はじめ」を作った島津斉彬、論を主導した西郷と大久保。日清・日露戦争で果たした東郷平八郎、西郷従道、大山巌などの力量は「薩摩の栄光の時代」といっていい。写真協力:鹿児島県観光連盟
写真協力:鹿児島県観光連盟
忘れてならないのがキビナゴ。火をふく桜島が浮ぶ錦江湾でとれるという。
写真協力:鹿児島県観光連盟
★長渕剛。一途な薩摩隼人という感じで最初にあげる。「順子」「乾杯」「とんぼ」などのヒット曲がある日本のシンガーソングライター。俳優でもある。勇ましい顔を見せるが表情に哀しみが感じられていい。大衆もその姿に哀しみを感じているような気がする。
★森進一。「女のためいき」「命かれても」「盛り場ブルース」「港町ブルース」「冬のリヴィエラ」「襟裳岬」などをヒットさせた戦後最大の歌手の1人。出始めの頃、大橋巨泉さんが彼の曲には「モダンジャズに通じるものがある」と言ったことがある。彼に楽曲提供をする人も多い。
★二階堂進(1909-2000)。2017年、石原慎太郎さんが青嵐会のころ政敵とした田中角栄を「天才」だとし同名のドキュメントのような本を出した。軍団と呼ばれる一党を率い卓抜な能力を発揮して田中角栄は首相まで上り詰めるが、その軍団の中に二階堂進がいた。
軍団には個性の強い政治家が多く、二階堂はあまり目立たないようにも思えたが、「趣味は田中角栄」と言い放ち、角栄さんを一途に支えた政治家である。
★加治隆介。弘兼憲史さんの描いた劇画「加治隆介の議(講談社・ミスターマガジン1991-1998)」に登場する若い政治家で鹿児島1区選出。弘兼さんの取材がよく行き届いており読ませる。